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電通のM&Aの評価は?

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電通(4324)は7月、英国の大手広告会社イージスグループ
(以下、イージス)と同社の買収で合意しました。買収額は
約4,000億円
に上る見通しです。買収の趣旨は、世界の広告会社
の5位である電通が、同8位のイージスを取り組むことでヨーロッパ
中心に海外分野の拡充を図ることです。クロスボーダーM&Aは現在の
グローバル時代においては、当然の戦略だとは思いますが、問題は
買収価額が妥当かどうかです。

まず、買収対象のイージスの現況を見ると、前期(2011年12月期)は
売上高が1兆4,700億円、営業利益は180億円、純利益は100億円です。
M&Aの常識では、買収価額は営業利益(厳密にはこれに減価償却費を
加えたEBITDA)の5倍~7倍程度が妥当とされています。要するに、
5年~7年程度で買収代金を回収するという考えです。今回の買収価額
は営業利益の22倍強、単純計算では買収代金の回収に22年間かかる
ということになります。

更に、イージスの純資産は約570億円ですが、この会社を4,000億円で
買うということは、PBRで言えば約7倍と超々割高です。また、純資産
と買収価額の差をのれん代(営業権)として償却(費用化)する必要
がありますので、今回は4,000億円-570億円=3,430億円の膨大な
費用が新たに発生します。今後の利益を圧迫するのは明らかです。

要するに、4,000億円の買収価額はどう見ても高過ぎるということです。
そして、それは今後の電通の経営の根幹に関わりかねないということ
です。うがった見方をするならば、イージスの主戦場であるヨーロッパ
は当面は厳しいビジネス環境が予想され、また、前々期の営業利益は
前期の半分にも達していない点などを考えると、イージスには高値で
うまく売り逃げられたということでしょうか。

日本の大企業のM&A下手はつとに有名ですが、“電通よ、お前もか!”
という印象です。

それでは、また来週!

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